25年ぶりの日本でスタートアップにジョイン! Bespokeの副社長として組織づくりに挑むRon Drabkinさんにインタビュー
(Check here for the English version!)
ポジション:副社長
Bespoke歴:2022年1月から
自らもシリアルアントレプレナーであり、エンジェル投資家として、また投資会社のアドバイザーや起業家のメンターとして多数の業績を持つRon Drabkinさん。2022年1月、株式会社Bespokeの副社長に就任されました。正社員としてジョインするため、入社のタイミングでアメリカから移住。25年ぶりに日本での生活がはじまったそうです。そんなRonさんに、Bespokeにジョインしたきっかけやお仕事の内容について伺いました。
Bespokeにジョインしたきっかけを教えてください。
昨年12月に代表の綱川から「会社に入りませんか?」と誘われたことです。綱川との出会いは4年前。私がアーキタイプベンチャーズという会社のアドバイザーをやっていたときでした。アーキタイプベンチャーズは日本のスタートアップがアメリカ進出する際の支援をしていて、Bespokeにとっては一番最初の投資家ファームでした。頻繁にメッセージをやり取りしている中で、突然お話をいただいたんです。検討して入社することにしたのが今年の1月です。
オファーに応じた決め手はなんだったんですか?
Bespokeが著しく成長していたこと、DXも面白いし、サービス自体が社会に貢献しているところなど、いろいろありますが、まず綱川にお願いされたら断れないですね。笑。彼女の営業力、人を巻き込む力は素晴らしいです。以前、アメリカでの営業に同席したことがあるんですが、日本語でも英語でも、同じように説得力があるんです。こんな能力のある人は、ちょっと他に会ったことがないですね。
そのときは日本にいらしたんですか?
まだアメリカにいました。その頃はコロナの水際対策で来日できず、日本の時間にあわせて仕事をしていました。アメリカ時間でだいたい夕方16時から夜中まで働くことになるので、けっこう大変でしたね。笑。ようやく来日できたのは4月です。大学留学のとき以来なので25年ぶりの日本です。1ヶ月くらい経ちますが、生活はまだちょっと慣れないですね。でもシリコンバレーやカリフォルニアに比べたら日本の生活は楽です。小さいレストランとかコンビニとか、生活するのにとても便利じゃないですか。
留学されていたんですね!日本で働くのは初めてですか?
大学を卒業後に新入社員として日本でちょっと仕事していましたが、25年前にインターネットはなかったので、いまは日本語でのメールに苦労しています。文章が長いじゃないですか。今日もお客さんとの打ち合わせに行ってきたのですが、エレベーターはどこに立つとか席はどこに座るとかいったビジネスマナーを知りました。日本語ができても、習慣とか言葉づかいには慣れるまでに時間がかかりますね。学びつつ、一歩一歩。
副社長というポジションですが、社内での役割を教えてください。
ベンチャー企業だと最初は社員も少ないので、ひとりひとりに正式な役割はなくて、とにかくみんなで一緒にがんばりましょう!というのが一般的です。会社の規模やステージが変わっていくと課題も変わってきます。Bespokeはいま社員が30人くらいに増えて、組織的に役割ができてきたところ。会社が大きくなると、社内のコミュニケーションが大事になってくるので、経営的な面だけでなく、コミュニケーションを円滑にするお手伝いもしています。アメリカでの多くの自社の立ち上げ経験と知識を活かし、Bespokeの組織作りもしています。
Bespokeさんにはさまざまな国の方がいらっしゃいますが、コミュニケーションはどうですか?
一般的な会社でも、営業の人と開発の人の間で話がかみ合わないということはよくありますよね。共通言語がないと言ったりしますが本当はそんなことなくて、考え方があっていないというだけだったりします。
でもBespokeの場合は、おおげさではなく本当に共通言語がないんですよ。開発チームはフランス、インド、ロシアなどほとんど外国人で、公用語は英語。ほとんど日本語は使いません。一方で、営業チームは日本人が多く、日本のお客さんに対応しているためあまり英語は必要なく、英語ができない人が多いんですよ。
ということで共通言語がないのです。それでもみんないい人で、ミーティングが始まるときにメンバーをみて「今日は英語ですね」「このメンバーだと日本語ですね」といったふうに楽しくやっています。ほとんど問題はないですが、普通の会社とは違う課題はまだまだあると思います。
コミュニケーションツールは、何をつかっていますか?
slackは便利で簡単に投げられる反面、以前のやりとりを遡ったり、どこになんの情報があるかわからなくなるじゃないですか。なので、Bespokeでは毎週決まった曜日に決まったフォーマットで進捗状況を報告してもらっています。それをみんなが閲覧できればお互いの状況を知ることができます。うまく進んでいればslackのやりとりも少なくできて、より効率的です。まだ完璧にはできていないですけど、少しずつ進めていきたいですね。
みなさんとてもフラットな関係に見えますが、そういった環境はどのようにつくっているんですか?
コロナの影響で、社員は京都や九州にもいるし、ペンシルベニア州やカリフォルニア、カナダにもいます。そのコミュニケーションはやっぱり難しい。言葉のことだけでなく、国も違うので時差もあります。もちろん、うまくいく時といかない時がありますが、大事なのはその人に期待していることを明確に伝えることです。主観的ではなく客観的に評価して、ひとりひとりの役割と目標が明確になれば、自分がいつまでになにをすべきかというのは、自然とシンプルになります。
日本の伝統的な企業だと、縦割り組織でピラミッドがありますよね。お互いの目標を明確にすれば、縦割りやピラミッドはあまりいらなくなると思います。Bespokeにも縦の関係がないわけではないので、そこはがんばっています。立ち上げ当初の、みんながフラットに仕事をしているいい環境を壊さないまま、会社が伸びるのが目的ですね。そのバランスが難しいんですけど、うまくできると嬉しいです。
今後Bespokeのなかでやっていきたいことを教えてください。
Bespokeはこの1年間で素晴らしい伸び率を示しています。売上高は1年前の3倍、4倍になっています。さらに会社の業績を伸ばすサポート、会社を育てることができたら嬉しいです。
どんな方にきてほしいですか?
インターナショナルなベンチャー企業なので、インターナショナルな考え方をお持ちの方。ベンチャー企業だと入社の2ヶ月後に社内での役割ががらっと変わることも多いので柔軟に対応できる方。あとは、社内の誰にもわからないことがあったときに、自分で外から知識を学んでチャレンジできるような方がいいですね。