エンジニアとしてのスキルを活かしクールなものを作り続けたい!Tomasz Szlagowskiさんにインタビュー
ポジション:シニア・ソフトウェア・エンジニア
ビースポーク歴:5年
子どもの頃からコンピューターにのめり込み、出身地であるポーランドの名門ヤギェウォ大学ではソフトウェア工学を専攻されていたTomasz(トマシュ)さん。「コンピューターサイエンスを学ぶことはデフォルトだった」と語るトマシュさんに、これまでのキャリアと現在について伺いました。
卒業後はどのような業界で経験を積まれたのでしょうか?
大学2年生の時に、小さなウェブ・エージェンシーで、初めてITの仕事に就きました。主に中小企業のウェブサイトを構築する仕事で、あらゆるブラウザで動作するサイトの作り方を学び、実践的な経験を積むことができました。大学の学生交換プログラムでオランダに留学したため、働いていたのは1年ほどです。
ポーランドに戻り学士号を取得したあと、Ruby(プログラミング言語)の経験を積みたいと思い、修士課程と並行して、Antenna Software(現Pegasystems)社のインターンシップに参加しました。この会社は、モバイル・アプリケーションに関連する企業向けソリューション、つまり顧客の社内用モバイル・アプリの構築、管理、配備を提供していました。
短期間でさまざまなプロジェクトを立ち上げた前職に比べ、そこではひとつの製品に長期間集中することができました。当初の目的だったRubyだけでなく、ウェブやモバイル・アプリケーションに関連するさまざまな技術についても多くのことを学べました。
修士号の取得後、何か新しいことに挑戦したくなり、ロンドンのエドテック(教育テクノロジー)・スタートアップ、RefME(現Chegg)に参加しました。業務が多岐にわたるなど、スタートアップならではのカルチャーが本当に楽しかったです。この時はアプリケーション開発だけでなく、それをデプロイして、実際にユーザーが使用したときの動作確認にも携わっていました。データベース、モニタリング、データ駆動型の意思決定について多くの知識を得ることができました。
日本にいらしたのは?
日本の文化にはずっと興味があったのですが、日本を旅してみて初めて、自分にとって実際に住み、働くことのできる場所だと実感しました。それで、2年間働いたRefMEを辞め、日本で就職先を探し、ITセキュリティ企業のGMOグローバルサインに入社しました。そこで企業向けの認証関連製品の開発に携わり、セキュリティやブラウザ拡張機能に関する学びだけでなく、日本の職場文化についてもたくさんのことを教えてもらったんです。
Bespokeに入社したきっかけは何でしたか?
データ管理アプリケーションにRubyを使用する企業は多いのですが、この言語でチャットボットシステムを構築している企業はあまりありません。BespokeのプロダクトであるBebotはRubyを使用していて、これまで携わったことがないものでした。それで新しい経験ができると思えたからです。それに、入社前にチームの多くのメンバーに会いましたが、みんなとても好印象でした。スタートアップの環境に戻ることも、私にとっては魅力的だったんです。
Bespokeに入社してからの経験について教えてください。
あと1ヶ月(2023年8月)で勤続5年になるんですが、この間に会社は大きく変わりました。最も大きな変化の一つは、テックチームの規模を大幅に拡大し、3つの小さなチームに分割したことです。
Bebotはもともとホスピタリティ業界向けに作られていましたが、ご存じの通りCOVID-19が流行し、外国人観光客は来日できず、国内観光さえも厳しい状況でした。そこで少し事業をピボットする必要がありました。それでも、会社の主要な価値観は変わらなかったと感じています。
現在のポジションと役割について教えてください。
シニア・ソフトウェア・エンジニアとして、アプリケーション開発のチームにいます。当チームは、あらゆることを行うチームといえます。インフラやAI、リサーチは他のチームが担当していますが、それ以外のすべてのUI、バックエンド・サービス、外部APIとの連携は私のチームが構築しています。
私のメインタスクは、機能の開発、バグの修正、コードのレビューですが、他のチームメンバーの質問に対応することもよくあります。また、機能開発に必要な作業量を見積もったり、時には採用のお手伝いをすることもあります。
私たちはまだスタートアップなので、大企業であれば別の部署が請け負うようなこと、たとえば私が取り組んでいる機能における、UI/UXデザインを考え出すようなこともしています。
やりがいを感じるのはどのようなときですか?
一つは、難しい問題を解決したときです。
例えば、私たちは普段、世界でもメジャーなデータベースを使用しているのですが、なかなか原因を解明できない不正な挙動があったんです。こういった場合、データベース側にバグがある確率は非常に低く、問題があるとすれば、99%の確率で私たち(アプリ開発者)のミスです。
今回私は、バグが発生している状況を調査し、回避策を見つけ、データベースベンダーに問題を報告したんです。多くの企業が依存している大きなプロジェクト(データベース)に貢献できること(たとえバグを報告するだけでも)は、とても気分がいいんです。
もう一つは、クールなものを作成することです。テックチームは、個人でもチームでも、興味のあるプロジェクトに自由に取り組めるようになっていて、それらは年に2回くらい開催される社内ハッカソンで披露できます。毎回、たくさんの面白いアイデアが試されていて、実験的なものもありますが、実際に社内のデータ管理ワークフローやユーザー・エクスペリエンスを改善するために使われたものも少なくありません。自分のアイデアを設計・実装して、自社サービスにも大きく影響力するのは、とてもやりがいがありますね。
入社してからこれまでで、一番大変だったことは何ですか?
私はオフィスに行き、職場の雰囲気を感じながら、同僚とのコミュニケーションを楽しむことが好きでした。Bespokeは完全にリモート・フレンドリーな環境で、典型的なオフィスはなく、パンデミック前はほとんどのチームメンバーが同じコワーキングスペースで働いていました。他の会社の人々(ほとんどが見知らぬ人)に囲まれること自体が新しい経験だったんです。
パンデミックが起こり、突然、誰もが在宅勤務しなければならなくなり、それにより職場の雰囲気も同僚との交流も得られなくなってしまって、結果として私の生産性はかなり低下しました。外出制限が解除されても、ほとんどの人がリモートワークを続けることになり、特別な場合を除いてコワーキングスペースに行っても、チームメンバーに会うことはまれです。
とはいえ、私はみんなをオフィスに戻したいとは思わないし、自宅の方が生産性が高いと感じる人もいる。会社のリモート・ファーストの性質を高く評価もしているんです。私自身、ポーランドに帰国して1カ月ほどリモートで仕事をしたりしています。自分を律し、仕事以外の友人やアクティビティを持つことで、リモートワークでの問題は最小限に抑えることができます。現在の環境における生産性が100%ではないとしても、良いトレードオフだと思っています。
チームの雰囲気や特徴などについては、どうですか?
私たちはスタートアップ企業ですが、そのカルチャーのおかげで大企業が抱える多くの問題を回避できていると思います。例えば、私たちは非常に現実的です。無駄な会議やどうでもいい議論に時間を費やすよりも、価値を提供することにフォーカスしています。
もう一つの大きなポイントは、みんなが非常に自主的であるということです。バグに気づいてイライラしたら、誰かの許可を得るのではなく、ただ修正をすればいいんです。
また、新機能を開発する際は要件がはっきりしていないことがよくあります。開発者はステークホルダーと話をしてできる限りの情報を集め、問題解決の最善策を自分自身で考えなければなりません。そうして出したアイデアやデザインのフィードバックを受け、機能を構築していきます。開発の途中で、当初の要件がかなり変更になることもありますが、誰も「これは私の責任ではない」と言うことはありません。必要なことは、ただやるだけです。
もちろん、みんなが好き勝手にやっているわけではありません。すべての変更は他のチームメンバーによってレビューされますし、ステークホルダーにはその変更によって問題が解決されていることを確認してもらいます。外から見ると混沌としているかもしれませんが、私たちはとてもうまく機能していると感じています。みんながモチベーションを保ちながら、的確に判断しているのです。
今後の挑戦してみたいことは?
私は、スキルを活かしてチームに貢献できる、それによって達成感を味わえる、現在の役割が好きなので、マネージャー職になることには積極的ではありません。むしろ、クールなものを作り続けることを選びたいと思っています。
あとは、カンファレンスで素晴らしい講演をされる人々に感銘を受けるので、可能であれば私も誰かの心に響くようなプレゼンテーションのスキルを身につけたいと思っています。
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